2009年12月31日木曜日

09年更新終了

 2009年が暮れようとしています。個人的には、11月に第2子(男)が誕生したことが一番大きな出来事でした。

 ナショナルズにとっては・・・。2年連続100敗という事実を前にすれば、ひどい年だったというよりないでしょうね。春先には、Esmaylin Gonzalezの年齢・名前詐称からJim Bowden GMの辞任に至ったスキャンダルもありましたし・・・。Zimmermanとの長期契約やStrasburgのドラフト入団など将来につながるいいニュースもありましたが、やはり厳しい年でした。
 
 ともあれ、無事に1年を終えることができました。このブログをはじめてほぼ2年。仕事の忙しさから更新が滞った時期もありましたが、続けてこられたのは、ひとえに読んでくださっているかたのおかげだと思っています。お礼申し上げます。にほんブログ村の「MLB・メジャーリーグ人気ランキング」で、短期間とはいえ1位にまで上げていただいたのは恐縮の至りです。みなさん、ありがとうございました。よいお年を。

2009年12月29日火曜日

Josh WhitesellとEric Bruntlettとマイナー契約

 Josh Whitesell一塁手とEric Bruntlett内野手とマイナー契約を結びました。2人とも今季は大不振でしたが、それぞれに意味のある契約だと思います。

Josh Whitesell (2009 Season for ARI)
46G 133PA 7R 1HR 14RBI 24BB 29K .194/.346/.287

Eric Bruntlett (2009 Season for PHI)

72G 118PA 15R 0HR 7RBI 5BB 26K .171/.224/.238

 Whitesellは2003年ドラフト6順目でエキスポスに入団ということで、出戻り。順調に成長し、2007年オフには40人ロースター入り。2008年のスプリングトレーニングにも参加していましたが、結果を残せず、マイナーに送るためにウェイバーにかけたところでDバックスに奪われました。(余談ですが、当ブログをはじめて、最初にナショナルズを去ることになった選手でした。当時の記事。)その後、DバックスのAAAで好成績を残して2008年9月にメジャー昇格、わずか9打席とはいえホームランも放つなど印象的なデビューを飾りました。今季は、レギュラー獲得も期待されていましたが、メジャーでは全く結果を残すことができず、このオフ、リリースされていました。まだ27歳、マイナーでの成績を見る限り長打力と出塁力はあり、Adam Dunnがまさかの故障ということになった場合の控えという意味でAAAに置いておくには期待感の持てる選手だと思います。

 Bruntlettは、内外野全てのポジションを守れる点が売りの31歳のユーティリティ。過去2年はフィリーズでプレーし、 2年連続リーグ制覇に密かに貢献していました。キャリア通算.231/.303/.330の打撃で、足が速いわけでもないので、攻撃面は全く期待できませんが、どこのポジションを守らせてもまずまずの守備。Bruntlettのようなタイプのユーティリティを25人ロースター枠に入れるのは、(フィリーズのように)内野のレギュラーがカッチリ固まっているチームか、極めて苦しいチームかのいずれかでしょう。残念ながらナショナルズが使うことになるとすれば後者でしょうから、使わずに済めば越したことはないのですが、故障など何があるか分かりませんので、マイナー契約でキャンプに迎えるというのは意味があると思います。(まさかと思いますが、Bruntlettがセカンドのレギュラーなんてことになったら最悪のチームであることは言うまでもありません。)

2009年12月25日金曜日

Matt Cappsと1年350万ドルで契約!!

 Mike Rizzo GMのいい仕事が続きます。今度は2007年から3年間パイレーツのクローザーを務めていたMatt Cappsと契約に合意しました。最後はカブス、メッツ(最終局面になって参戦したようです)との争いましたが、勝ちました! 先日のBrian Bruneyのトレード獲得に続き、防御率メジャー最悪と今季崩壊していたブルペンの再生に向けてまた1つ手を打ったことになります。

 契約内容は1年350万ドルで、42.5万ドルのインセンティブ付とのこと。今季年俸が242.5万ドルで年俸調停2年目だったことを思うと、年数、金額とも申し分ありません。

Matt Capps (2009 Season for PIT)
57G(4W8L27S) 54.1IP 46K 17BB 5.80/1.66


 2002年ドラフト7順目でパイレーツに入団。2005年にブルペンに転向して花開き、その年の9月にメジャーデビュー。2007年シーズン途中にクローザーとなると2008年にかけて支配的な投球を見せました。今季はクローザーの地位こそ最後まで守りましたが、大きく成績を落とす不本意なシーズン。年俸調停2年目でしたが契約を提示されることなくFAになりました。防御率はともかく、被本塁打率や与四球率で数字を落としていることはやや気懸かりですが、奪三振率はむしろ向上していたりしますので、ERA/WHIPで見られる数字ほど悪くはなかったと見られています。持ち球は、92~95マイルの速球とスライダー、チェンジアップ。投球スタイルはあくまで速球主体。(見ての通りの)強靱な上体を使い、力でねじ伏せていくタイプであり、クローザー向きと言えるでしょう。2008年に肩の故障で約2か月間離脱するなど、健康面に多少の不安材料はありますが、まだ26歳と若いこともあり、昨季の成績からは大きく戻してくるものと信じています。

 来季のナショナルズでは、Bruneyとクローザーの座を争うことになりそうです。実績がある分だけCappsが有利と見られていますが、スプリングトレーニング開始時点では横一線でしょう。勝手な妄想をすると、Cappsがクローザーとして好投し、フラッグディールトレードで移籍して、プロスペクト獲得、入れ替わりでDrew Storen時代が始まるというのがベストシナリオです(笑)。


 それにしても、Rizzo GMはGood Jobです。下に引用した昨日のCapps自身のコメントからも、今回のCappsの意思決定にRizzo GMが好影響を与えていたことがうかがわれます。また、少し前のCappsのコメントには、Ivan Rodriguezとバッテリーを組めることへの前向きなものもありました。先日入団会見を開いたJason Marquisも同じように言っていました。Pudge 獲得の効果は思いの外大きいようですね。これも計算していたとすれば、Rizzo GMちょっと凄いかも。

"[I liked the Nationals because of] the way Mr. Rizzo treated me throughout this whole process. The Nationals organization has been first class. They expressed their interest from Day One -- the moment I was non-tendered. They wanted me to become a Washington National. That means a lot. The feeling of being wanted is very important. I felt that from them from Day One."

Eddie Guardadoとマイナー契約

 39歳の大ベテラン、ブルペン左腕Eddie Guardadoとマイナー契約で合意しました。93年にツインズでメジャーデビューし、96年の83試合登板を皮切りに8年連続で60試合以上に登板するタフネスぶりで"Everyday Eddie"の愛称を持ちます。2000年代前半にはツインズ、マリナーズでクローザーを務め、通算187セーブを記録。近年は少しずつ成績を下げていましたが、今季はレンジャーズに所属。8月中旬に左ひざを痛めて2週間DL入りしましたが、ほぼフルシーズン戦力になっていました。

Eddie Guardado (2009 Season for TEX)
48G(1W2L0S) 38.1IP 20K 15BB 4.46/1.41


 マイナー契約ですが、開幕ロースターかどうかはともかくとして昇格機会は与えられるような気がします。左打者をしっかり抑えて、ブルペン投手陣への指導的役割を発揮してくれればと思います。今季でいえば、Ron Villoneくらいの期待かな。

2009年12月22日火曜日

Matt Cappsも?→Matt Cappsも!!!  

 Jason Marquisとの契約にこぎつけたナショナルズですが、さらにパイレーツから年俸を提示されずにFAとなったMatt Cappsとも交渉しているようで、しかも有力な候補となっている模様です。ライバルがカブス、ヤンキースなど強豪ぞろいなので見通しは楽観できませんが、Capps本人がクローザー志向が強いこと(カブス、ヤンキースではセットアップが確実だがナショナルズなら十分チャンスあり)、それに下記のESPNのJerry Crasnick記事で書かれているようにMike Rizzo GMの努力もあって、現状となっています。

"Agent Paul Kinzer said the Nationals weren't a factor when Capps began considering his options as a free agent. But Washington is now among the leading candidates to sign Capps because of the efforts of general manager Mike Rizzo."

 もちろん、まだ契約に達したわけではないし、仮に契約できたとしても、年数、金額を見てみないと最終的な評価は下せませんが、このような記事が書かれているという点はそれだけでもRizzo GM Good Job!と言えるでしょう。

 報道によると、Cappsは今週中には結論を出すつもりのようです。

→23日更新
 最終候補はカブスとナショナルズの2つに絞られた模様。現地23日夜にCapps自身が判断するとのことです。

→24日更新
 現地時間24日の未明になって契約合意の報道!!!! 1年350万ドル+インセンティブという契約の模様。Mike Rizzo GM Good Job!!!!!!!!!です。

Jason Marquisと2年1500万ドルで契約!

 Mike Rizzo GM以下フロントがいい仕事をしました。

 Jason Marquis投手と2年1500万ドルの契約を結ぶことになりました。31歳の先発右腕。ここ数日噂になっていましたが、フィリーズやメッツも狙っていたとの情報もあった中ナショナルズ入団となり、ちょっと驚いています。事前の相場予測よりは若干高めになりましたが、若干という程度。Pudge Rodriguezの時も書いたように、ある程度のプレミアムを払うのは仕方ないと思っていますので、年数、金額を含め、いい契約だと思います。Type BのFAなのでドラフト指名権を失うこともありません。

Jason Marquis (2009 Season for COL)
33G(15-13) 216.0IP 115K 80BB 4.04/1.38

 シンカーを武器とするグラウンドボールピッチャー。三振を積み上げるタイプではない。制球は安定しているので安心して見ていられそうです。昨オフにカブスからロッキーズにトレードされ、3年契約の最終年となった今季キャリア最高の成績を残しました。特に前半戦は快投し、オールスターにも選出。後半は失速し、ポストシーズンでは先発ローテーションから外れましたが、レギュラーシーズンではローテーションをしっかり守り、33試合に先発。ローテーション投手に定着した2004年以降の6シーズン中5シーズンで30先発以上を記録しており、いわゆるイニング・イーターとしての評価は定着しています。

 これ以上の成長は期待できませんし、エースというほどの期待はしていません。年間通じて健康に先発を重ね、Lannanと並ぶ成績を残してくれれば十分。それよりも、下記の契約合意前の記事にあった本人のコメントにあるように、若手投手陣(特にStephen Strasburg)の成長に少しでも好影響を与えてくれることを期待しています。

 数日前の記事にあったMarquis本人のコメント。非常に前向きなコメントで、もしかしたらと期待を持たせていました(裏切られるかもという思いもあったわけですが)。今から読み返してもうれしいコメントです。(ちょっと長いですが引いておきます)

"Learning from those veterans (Tom Glavine, Greg Maddux, Chris Carpenter and Matt Morris), learning how to win and recognizing situations, I felt I brought that to the table in Colorado and I really helped ... De La Rosa and Jimenez, who were trying to get over that hump. I feel I could bring that [kind of leadership] to a team."

"I want to play for a team that is headed in the right direction and making the moves that is necessary to get themselves back to being a winning organization. Some of the moves the Nationals have made -- like [signing Stephen Strasburg] signing Pudge [Ivan Rodriguez] and getting [reliever Brian Bruney] -- they are making the necessary steps.”

"I feel I can fit right in and bring a winning attitude to the team. Every where I've been, I've won. I feel it's not a coincidence. I want to help a team get over the hump."


 Marquis本人の最後のコメントにありますが、メジャーデビュー以来の10年間、所属したチーム(00-03ATL, 04-06STL, 07-08CHC, 09COL)が「例外なく全て」ポストシーズンに進んできた、という強運の持ち主。本人はポストシーズンのロースターから漏れた年もありますが、それでも凄いことです(10年間の経緯については、hausさんのこちらの記事をご覧ください)。果たして11年連続のポストシーズン進出なるか!? なーんて(笑)まさかそこまで高望みはしませんが、投手陣のリーダーとしてチームの負け癖を払拭するような影響力は期待していいでしょう。

 先発投手はあと1人くらい補強するのではないかと見られています。いろいろ名前は挙がっていますが、Marquisと似たタイプのJohn GarlandやJoel Pineiroと契約するとは考えられません。個人的には殿堂入りが確実視されるJohn Smolzと契約できるのがベストシナリオ。さもなければリスク覚悟でEric Bedardで行って欲しいところですが、Todd WellmeyerLenny DiNardoあたりと比較的安く1年契約するというのが現実的かと思います。中途半端なベテラン(例.Livan Hernandez)は要りません。

2009年12月13日日曜日

(年俸調停)Olsen、MacDougalに契約提示せず→Olsenとは再契約 

 ナショナルズは、年俸調停対象となっていたScott OlsenMike MacDougalの両投手に期限までに契約を提示せず、両投手はFAとなりました。Rizzo GMの説明では、2人とも故障からの回復に確信が持てないため、とのことでしたが、おそらくは主として金銭面での判断でしょう。

翌日(12月12日)、Olsenとは再契約。1年100万ドルの保証に、先発数に応じたインセンティブで400万ドル近くに達する契約のようです。今季年俸が280万ドルで、年俸調停に行けば(制度上)アップすることが確実視されていましたので、いい展開です。ローテーション争いに加わることとなります。

 他方、Jason BergmannSean BurnettJesus FloresWil NievesJosh Willnghamの各選手には契約を提示。(Nievesは先日Pudge Rodriguezと契約をしたこともあり、かなり意外ですが、個人的にはうれしいです。) 

 それから、忘れていましたが(笑)、先日トレードで獲得したBrian Bruneyにも契約を提示。MacDougalがいなくなったことで、クローザー争いが本格化(不透明化とも言う)しました。 

Ivan Rodriguezと2年600万ドルで契約


 バックアップ捕手というには意外な大物と契約しました。パッジことIvan Rodriguezと2年600万ドルで契約。

Ivan Rodriguez (2009 season for HOU and TEX)
121G 448PA 55R 10HR 47RBI 18BB 92K .249/.280/.384 1SB

 選手紹介はもはや必要はないでしょう。将来の殿堂入りが確実視される大捕手。38歳となり、さすがに打撃・守備とも衰えが見えますが、Jesus Floresが開幕に間に合わない可能性(あるいはシーズン中に離脱する可能性)もあると想定し、若干力のある捕手を積極的に獲得したということでしょう。もちろん、Floresが万全で開幕を迎えることができればあくまで控え、あるいはFloresの指導役が期待されます。そうなれば年俸300万ドルというのは高いという印象ですが、それは良いほうに転んだ場合ということなので、許せる出費かと思います。また、2003年のマーリンズやその後のタイガースで若手投手陣を引っ張ったという実績もあり、このあたりにも期待したいと思います。 Washington PostFangraphsなど、軒並み評判が悪いのですが、私は決して悪くない動きだと思います。値段が多少高くなるのは、2年連続100敗の再建中のチームに来てもらうプレミアムということで、ある程度しかたないと諦めています。

 これでWil Nievesへの年俸調停提示はなくなったでしょう・・・。

2009年12月12日土曜日

09 Season Review 14(完) 開幕前予想の結果

 今季開幕前に、シーズンプレビューの代わりとして、「テキトーなシーズン予想」という記事を書きました。このシーズンレビューシリーズの最終回は、その結果発表です。 (黒字が開幕前の予想。青字が結果です

① Jordan Zimmermannがナ・リーグ新人王
 14勝であっさりチームの勝ち頭となる。(今季のナショナルズを見ていく者に共通の最大の楽しみ!)
⇒× チーム新人王にはなりましたが。勝ち星は3つ。

② Ryan Zimmermanがゴールドグラブ賞
 そろそろ取る。記者の間でも守備の良さは認知されつつあり、打撃を含め(笑)シーズンを通じて印象的な活躍をすれば、チャンスは十分。ただ、打撃では30本、100打点にはわずかに届かず。
⇒○ 打撃成績はいいほうにはずしました(笑)。

③ Adam Dunnの40本塁打100打点はストップ
 やはりGreat American Parkの要因が大きかった。打点チームトップの座は守るが、ホームラン数(30本)はDukesに上回られてしまう。

⇒△ 本塁打は○、打点は×。Dukesに関しては全くはずしました。

④ Elijah Dukesがブレイク
 スプリングトレーニングでは絶不調で三振王だったが、昨季も春先はだめだったので、シーズンが進むに連れて成績を伸ばしてくるはず。攻撃面だけでもDunnにも匹敵する数字を残し(35本塁打、100打点)、守備も合わせればチームで最も勝利に貢献する選手になる。(故障だけが懸念。)
⇒× 惨敗です。

⑤ 夏にはDaniel CabreraをDFA
 昨季成績を低下させることになった球威そして奪三振率の急落という傾向を、スプリングトレーニングでも覆すことはできなかった。先発3番手で開幕するが、夏にはDFAされ、Collin Balesterにローテーションの座を明け渡すことに。
⇒○ 夏どころか5月末にDFA。オマケということで。Balesterもダメでしたが。

⑥ Joe Beimel、Nick Johnsonがフラッグディール移籍
 2人とも健康にシーズンを過ごし、期待をわずかに下回る成績を残す。そして、晴れてそこそこの投手のプロスペクトと交換。
⇒○ 見事的中。というか願望成就。

⑦ Chris MarreroがA+、AAの投手を粉砕
 1年を健康に過ごしたChris MarreroがA+、AAの投手を攻略。長打力も見せて、9月にはメジャー昇格を果たし、メジャー1号も放つ。チームのMinor League Player of the Yearに選ばれるとともに、各プロスペクトランキングでも全体30位以内に入る。
⇒× 粉砕とは行かずともしっかり打った。しかし、ずいぶん野心的な予想を立てたもんだ(笑)。

⑧ 今季最終戦の先発センターはRoger Bernadina
 Milledgeは故障か不振かでセンターのレギュラーの地位を失い、Justin Maxwell、Dukesあたりが争った末に、終盤は1番センターでBernadinaが定着。
⇒× 途中まではシナリオ通りでしたが、結果はMaxwell。Bernadinaは故障で残念。

⑨ チームは地区最下位
 ただし、勝率はぐっと上がって、72勝90敗。ナ・リーグ東地区はメッツ。そのままワールドシリーズに進出するも、レッドソックスに敗れる。
⇒○ 下の記述は全く外れ。予想って難しいな。

⑩ Stephen Strasburgと史上最高額で契約
 6月のドラフト全体1位でStephen Strasburgを指名。Scot Borasとの長い夏の交渉の末、8月の期限直前に史上最高額(いくらになるかは全く予想できません)で契約。さすがに契約が遅すぎて9月にはメジャーデビューを果たせず。
⇒○ YES!完璧!

以上、5勝4敗1分。結構いい成績でしたね。まあシーズン予想ってのは、いつもながら、だから何って感じですが。

09 Season Review 13 ex-Natsのその後

 スプリングトレーニング以降に解雇・トレード(特に解雇)によりチームを去った選手が非常に多かったというのも今季のナショナルズの特徴。前の記事でも書いたように、ブルペンなんて開幕時と閉幕時で完全にメンバーが入れ替わっていたほどです。Jim BowdenからMike RizzoにGMが代わったことでチームの編成方針が変わったでしょうから当然と言えば当然のことですが、このような状況ではチームとして安定的な成績が残せるはずもありません。

 それはともかくとして、元ナショナルズのその後を見ておきますが、ナショナルズから解雇された選手達はほとんど全員、その後もダメでしたね。トレードされた選手は大よそ活躍。特にRonnie Belliardの活躍はインパクトがありました。

Shawn Hill(スプリングトレーニング中に解雇)
3G(3GS) 12.0IP 5.25/1.50 (MLB: SDP)
 直ぐにパドレスと契約すると開幕ローテーション入り。4月のデビュー戦で勝ち投手となりましたが、3試合に投げたところで予想通り右ヒジ痛を再発し、そのままマウンドに戻ることはありませんでした。シーズン終了後DFAされ、FAとなっています。

Wily Mo Pena(開幕直前に解雇)
41G 152PA 5HR .276/.296/.414 0SB (AAA: NYM)
 4月中旬にメッツとマイナー契約しましたが、6月末に解雇されました。その後は浪人中。

Steven Shell (4月末に解雇)
22G(8GS) 61.0IP 4.72/1.41(AA/AAA: SEA)
 5月上旬にマリナーズとマイナー契約。メジャーへの声はかからず。シーズン終了後FAとなりましたが、マリナーズと再びマイナー契約。

Wil Ledezma (4月末に解雇)
11G 19.1IP 2.79/1.34 (A+/AA:TOR)
 8月になりブルージェイズとマイナー契約を結ぶも、メジャー登板の機会はありませんでした。シーズン終了後FAとなり、パイレーツとマイナー契約。

Mike Hinckley (5月上旬に解雇)
33G 49.2IP 3.26/1.53 (AAA:TEX)
 5月上旬にレンジャーズとマイナー契約。まずまずの好投でしたが、メジャーへの声はかからず。シーズン終了後FAとなり、オリオールズとマイナー契約。


Daniel Cabrera (5月下旬に解雇)
6G(1GS) 11.0IP 6.55/1.64 (MLB:ARI)
4G(4GS) 14.2IP 6.14/1.71 (AAA:ARI)
 8月上旬にDバックスとマイナー契約。9月にはメジャーでも投げましたが、結果は惨憺たるものでした。シーズン終了後にDFAされ、FAとなっています。

Mike O'Connor (6月中旬にパドレスへトレード)
6G(1GS) 12.1IP 5.84/1.70 (AAA:SD)
6G(5GS) 27.1IP 7.24/1.68 (AAA:KC)
 結果を残せないままに8月上旬にパドレスを解雇され、1週間後にロイヤルズとマイナー契約。そこでもダメでした。

Ryan Langerhans (6月下旬にマリナーズへトレード)
38G 122PA 3HR .218/.311/.386 0SB (MLB:SEA)
 ナショナルズではAAAにいましたが、Mike Morseとの交換でマリナーズへ移籍するとメジャーに合流。2本のサヨナラ本塁打を打つなど、まずまずの活躍を見せましたが、数字としては物足りないものに終わりました。年俸調停の申し入れがあるか、DFAされるか、瀬戸際のようです。

Lastings Milledge (6月下旬にパイレーツへトレード)
58G 239PA 4HR .291/.333/.395 6SB (MLB:PIT)
 パイレーツにトレードされて心機一転。マイナーできちんと結果を残して7月末にメジャー昇格を果たすと、レフトのレギュラーの座をつかむまでになりました。来季も開幕レフトと目されています。せいぜい頑張って下さい。

Joel Hanrahan (6月下旬にパイレーツへトレード)
33G 31.1IP 1.72/1.37 (MLB:PIT)
 パイレーツに移籍後、中継ぎとして起用されて成績が安定しました。クローザー役は重荷だったのかな。来季もこのままパイレーツの中継ぎと期待されているようです。ナショナルズの獲得したSean Burnett、Nyjer Morganもそれなりに機能しているし、Win-Winのいいトレードとなりましたね(今のところ)。

Jesus Colome (7月上旬に解雇)
5G 6.1IP 5.68/1.74 (MLB:MIL)
4G 7.0IP 0.00/0.71 (AAA:MIL)
 7月下旬にブリューワーズとマイナー契約。AAAで好投して昇格を果たしましたが、メジャーでは結果を残せず、右腕の痛みで故障でDL入り。復帰したものの9月に入ると解雇されてしまいました。

Julian Tavarez (7月中旬に解雇)
 その後、現役引退を表明。メジャー通算17年。11球団を渡り歩き、828試合に登板(108先発)。88勝82敗という記録を残しました。お疲れ様でした。

Joe Beimel (7月下旬にロッキーズへトレード)
26G 15.2IP 4.02/1.47 (MLB:COL)
 フラッグディールトレードで移籍し、ほぼ左対左の場面で起用されましたが、期待ほどの働きはできませんでした。それでも、プレーオフのロースターに入り、フィリーズとのNLDSでは3試合に登板。結果的には少し評価を落としてシーズン終了後FAとなりました。

Nick Johnson (7月下旬にマーリンズへトレード)
35G 150PA 2HR .279/.477/.413 0HR (MLB:FLA)
 8月後半の2週間という大事な時期にDL入りしてしまいましたが、数字としては期待通りだったでしょう。出塁率.477は何気に驚異的な数字で、「本領発揮」ってところでしょうか(通算の出塁率.426はAlbert Pujolsに次ぐリーグ2位でした)。シーズン終了後Type-BのFAとなり、特にDHのあるア・リーグのチームからは大人気の模様。

Anderson Hernandez (8月上旬にメッツへトレード)
46G 149PA 2HR .252/.315/.370 2SB (MLB:NYM)
 主にショートして起用され、8月中はかなり好成績でしたが、(またも)ジリ貧という感じで成績を落としていきました。来季はJose Reyesが故障から復帰してくるでしょうし、Alex Coraとも契約したので、なかなか出場機会を得られないかもしれません。


Ronnie Belliard (8月下旬にドジャーズへトレード)
24G 83PA 5HR .351/.398/.636 1SB (MLB:LAD)
 ナショナルズで調子を上げて8月末に移籍。ドジャーズでも勢いを切らすことなく、上記の通りちょっと信じられないほどの好成績で、セカンドのレギュラーをOrlando Hudsonから奪ってしまいました。ポストシーズンに入っても好調で、カージナルスとのNLDS第2戦では、例のMatt Holidayのエラーの後、同点タイムリーを打ちました。大いに評価を上げて、シーズン終了後FAとなりましたが、さてどういう契約を得られるでしょうか。

Jorge Sosa (9月上旬に解雇)
 FA選手となりましたが、その後名前を聞きません。

ルール5ドラフト

 全体1位指名権をBruneyとのトレードでヤンキースに事実上譲渡してしまったため、すっかり関心が薄れてしまっていましたが、ルール5ドラフトが開催されました。

 全体1位でナショナルズが指名し、ヤンキースにトレードしたのは、ドジャーズにいたJamie Hoffmann外野手。いちおう覚えておきましょう。

  2順目では指名せず、つまり獲得選手なしで終了しました。AAAフェイズでは何人か獲得しましたが、マージナルな選手ばかりなので省略。

 一方1順目でブルージェイズにZech Zinicolaを奪われてしまいました。Zinicolaのことは、このオフにブルージェイズのフロント入りしたDana Brown前スカウト部長が高く評価していたので、予想はされた動きとされています。06年の6順目入団で、AAまでは順調にステップアップしてきましたが08、09年とAAAで跳ね返され続け、40人枠でプロテクトされていませんでした。ところでJosh Wilkieは指名されず、引き続きナショナルズの傘下に残留しました。

 なお、Hoffmannを指名するために40人枠を空ける必要があり、Zack Segoviaを解雇しました。マイナーではまずまず投げていましたが、メジャーではひどい打たれようでした。Hoffmannのトレードで40人枠はすぐに空いたわけですが、おそらくそこにIvan Rodriguezが入るのでしょう。

Jerry Owensとマイナー契約

 ウィンターミーティング期間中に、Jerry Owens外野手とマイナー契約を結びました。

Jerry Owens (2009 season)
12G 15PA 0R 0HR 0RBI .083/.267/.083 1SB (MLB:CHW)
102G 453PA 75R 3HR 39RBI .320/.387/.413 23SB (AAA:CHW, SEA)

 元々は2003年ドラフト2順目でエキスポス(つまりナショナルズ)に入団なので、出戻りということになります。俊足・好守の外野手として期待されましたが、2005年の開幕前にAlex Escobarとのトレードでホワイトソックスに移り、2006年にメジャーデビュー。2007年には1番センターとしてレギュラーをつかみかけましたが、攻守とももう1つアピールしきれず、翌年にはトレードで来たNick SwisherCarlos Quentinにブロックされる形で出場機会を失いました。その後は40人枠に入りながら主にAAAでプレーしていましたが今年4月に遂にDFA。マリナーズとマイナー契約し、AAAではなかなかの数字を残していましたが、結局チャンスを与えられないままシーズン終了とともにFAとなりました。

 29歳とまだ若いので一定の期待感はありますが、パワーと肩に欠けるので使いどころの少ない選手です。

2009年12月10日木曜日

09 Season Review 12 & Off Season Outlook: RP

 ブルペン投手についても今季成績などに関しては、Pitcher of the Yearの記事を参照して頂ければと思います。下に見るとおり、開幕時のブルペン投手が誰1人としてまともに働かなかったという意味では、先発以上にひどいシーズンでした。

(2009年シーズン開幕時ブルペン)
Joel Hanrahan →6月末にパイレーツへトレード
Joe Beimel →7月末にロッキーズへトレード
Mike Hinckley →5月上旬にDFAされ退団
Wil Ledezma →4月末にDFAされ退団
Steven Shell →4月末にDFAされ退団
Julian Tavarez →7月中旬にDFAされ退団
Saul Rivera →5月上旬~8月上旬までの3か月をマイナーで過ごしたもののなんとかメジャーでシーズン終了。しかし、12月初旬に解雇。


[オフ・来季の展望]

(2009年シーズン終了時ブルペン)
Mike MacDougal[Closer]
Tyler Clippard
Jay Bergmann
Sean Burnett(DL)
Ron Villone
Saul Rivera
Zack Segovia
Victor Garate
Marco Estrada

 このうち、VilloneがFA退団し、Riveraは上記の通り解雇(年俸調停対象でしたがDFA濃厚でした)。年俸調停対象がMacDougal、Bergmann、Burnettの3人。その他の投手はまだ年俸調停前。Bergmann、Burnettの2人は1年目で高くないことから、 調停申請していいと思います。難しいのはMacDougal。3年目扱いです(以前2年目と書きましたが間違いのようです)が、解雇前にホワイトソックスが支払った今季年俸が375万ドルと既に高額の上、今季も20セーブ(しかもセーブ失敗がわずか1つ)と一見好成績を残しているため400万ドルを超える年俸となる可能性があります。しかし投球内容が伴っているかと言えば極めて疑わしく、安定感にも欠けます。個人的にはDFAしてしまえばいいのではないかと思っています。

 この現有戦力の中で、来季も安定して力を発揮してくれそうなのはClippardとBurnettくらい。フロントはブルペンの強化をこのオフの課題の1つと表明しており、さっそくウィンターミーティングで動きがありました。ヤンキースからBrian Bruneyを獲得(関連記事)。クローザーを務める可能性もあると言われています。

 もう少し補強する可能性もあるし、ベテラン投手とマイナー契約を結ぶ可能性もあるでしょう。先発枠からはじかれた投手が回ってくる可能性も十分あります(Balester? Stammen? Mock再び?)。スプリングトレーニングでいい競争ができればいいなと思います。

2010開幕予想:
Brian Bruney[CL]
Tyler Clippard
Sean Burnett
Jason Bergmann
Victor Garate
Collin Balester
FAベテラン投手

2009年12月9日水曜日

09 Season Review 11 & Off Season Outlook: SP

 今季成績などに関しては、先日のPitcher of the Yearの記事を参照して頂ければと思いますが、開幕時のローテーション投手でシーズン終了までベンチにいたのがJohn Lannanただ1人だった、という事実が今季のナショナルズ先発陣の苦境を表しています。

(2009年シーズン開幕時ローテーション)
John Lannan
Scott Olsen→左肩故障で7月にDL入り。手術でシーズン終了
Daniel Cabrera→5月末にDFAされて退団
Shairon Marits→不振のため6月末にAAAへ降格
Jordan Zimmermann→右ヒジ故障で7月下旬にDL入り。TJ手術・・・

[オフ・来季の展望]  
 来季のナショナルズの先発投手を語ろうとすれば、何と言っても、Stephen Strasburgがその話題の中心。開幕は?デビューは?いろいろな意見がありますが、個人的には、来季の「開幕」デビューは早過ぎると思っています。野手では、極めて希ながらマイナー経験のないままにメジャーデビューを果たした選手もいますが、投手で、ということになるとおよそ聞いたことがありません(日本からの助っ人は除く)。まずはマイナーで中4日の投球間隔のルーティーンを確立すべきではないかと思っています。新人王レースには間に合って欲しいので、5月頃にメジャーデビューさせればいいのではないかと(例の調停関連の問題もあります)。

 さて、このシリーズの主題は来季の「開幕」に向けての展望です。そこで、まずは現有戦力の確認からしておきます。

(2009年シーズン終了時のローテション)
John Lannan
Garret Mock
Livan Hernandez
Ross Detwiler
J.D. Martin

 このうち、来季のローテーション入りが確定しているのはLannanただ1人でしょう。LivanはFAで退団。他の3投手は、今季ルーキーとして先発機会を与えられたCraig Stammen(故障離脱)、Shairon Martis(不振降格)、Collin Balester(不振降格)とともにスプリングトレーニングで争う立場となりそうです。なお、Livanを除く以上の選手は全て年俸調停前(Lannanは年俸調停前最終年)。
 
 年俸調停といえば、Olsenの扱いが焦点の1つ。昨オフにマーリンズからトレードでやってきて、先発の一角と期待されましたが、左肩の痛みのためにパフォーマンスが低下し、7月にシーズン終了となってしまいました。手術を受け、リハビリに励んでいますが、故障箇所が箇所だけに元の姿に戻れるかどうかは不安視されています。年俸調停2年目で今季年俸が280万ドルと、若干高めの金額だけに、球団がどう判断するか注目です。個人的には、契約すべき投手だと思います。もちろん故障の回復具合しだいでは全くの無駄金になる可能性もある「ギャンブル」ですが、来季26歳と自然治癒力もまだ高いであろう年齢だし、先発としての耐久性が戻らなくても、左腕ということもあって使いではあるでしょう。賭けてみる価値はあると思います。

 上述のように、今季のナショナルズはボーダーラインの投手を大量にメジャーデビューさせたので、マイナー組織でメジャーデビュー間近という投手は多くありません。Strasburgを除けば、Nick JohnsonとのトレードでマーリンズからやってきたAaron Thompsonくらいです。ただ、さすがにいきなり開幕メジャーというのは想像しにくい。AAAでしっかり投げてチャンスをうかがって欲しいところです。

 以上が現有勢力ですが、個人的に期待したいのはDetwiler。07年ドラフト1順目のトッププロスペクト。今季中にメジャー昇格できればと思っていましたが、予想を上回る早さでローテーション入りしました。なかなか勝ち星には恵まれませんでしたが、9月以降は良いボールを投げ、1.90/1.23という好成績でメジャー初勝利も記録。もともと素質を評価されていた投手がようやく伸びてきたというところですから、育成という視点を持って、来季は開幕からローテーションで我慢して使ってやってくれないかなと思っています。というか、使わないともったいない。
 
 各種報道を見ていると、ナショナルズのフロントは1,2人は先発投手をFAかトレードで獲得するつもりとのことです。今季は若手投手がローテーションの大部分を占め、ベテランと言えば、LivanやCabrera という若手の範になることがあまり期待できない投手ばかりでした。また、Lannanも好投手ですが、相手チームのエースと対決させるにはやや荷が重かったことは否定できません。是非是非しっかりした投手、若手投手の成長にプラスとなるような投手を獲得してもらいたいところです。

 FA投手のリストを見ると、John LackeyやRandy Wolfにはさすがに手が届かないとしても、Erik BedardJon GarlandRich HardenBraden LooperJason Marquis(連続プレーオフ進出記録更新中)、Joel PineiroDoug DavisJarrod Washburnあたり(順不同)と契約してくれないかなあとぼんやり思っています。 トレードならJavier Vasquezなんてどうかなぁ・・・。

 12月9日時点では、John Smoltz、Pineiro、Washburn、Garland、Vicente Padillaあたりが噂に上がっていますが、Padillaは今季後半だけ良かったものの元々が問題児なので若手の範となるという期待に応えてくれそうにもありませんからダメ。トレードに関しては、レッドソックスがWillinghamに関心を持っているという情報もあります。Jason Bayとの交渉次第ということでしょうが、実現したら狂喜乱舞しちゃうんだけどなぁ(あえて名前は出しませんが)。

2010開幕予想:
John Garland
John Lannan
John Smoltz
Ross Detwiler
Craig Stammen
(ダークホース:Michael Bowden)

2009年12月8日火曜日

Brian Bruney←Trade from NYY、Saul Rivera→解雇

 まだ09 Season Review & Off Season Outlookの投手編が書き終わっていないのですが、Winter Meetingが始まってしまい、初日からナショナルズも活発に動いています。

 最初の動きは、ヤンキースからBrian Bruneyをトレードで獲得するというものでした。

Brian Bruney (2009 season for NYY)
44G 39.0IP 31K 23BB 3.92/1.51


 27歳のブルペン右腕。もともとは2000年にDバックスからドラフト指名されて入団(なお、当時Mike Rizzoがスカウト部長)。2006年シーズン途中にDバックスから解雇された直後にヤンキースに加入。その後の3年半、ヤンキース・ブルペンの一員を務め、時にはMariano Riveraにつなぐセットアップマンの役割も果たしてきました。90マイル半ばの直球とスライダーが持ち球で、奪三振率は悪くない。ただ与四球率も高く、好不調の波が大きかった。ナショナルズとしては、とにかく弱体だったブルペンを補強するという発想は理解はできます。実績のある、しかも比較的若手で伸びシロも期待できる。ただし、ヒジなどに故障の懸念もあります。契約関係は、年俸調停の3年目(今季年俸は125万ドルだったので来季も高くはない)で、来季終了後にFAとなる予定。本人はクローザー志望が強いと語っています。いちおう今季終了時点ではMike MacDougalがクローザーを務めていましたが、決して安定していたわけではないので、チャンスはあるかもしれません。

 交換相手は、なんとルール5ドラフトの全体1位指名選手。ヤンキースからの依頼に基づいて指名し、即トレードすることになるそうです。どんな選手を指名しに行くのか楽しみにしていたのに・・・・残念です。

 なお、40人ロースター枠を空けるためにSaul Riveraを解雇。まあ妥当な人選かもしれませんが、ナショナルズのために過去4シーズンで計245試合に投げてくれた投手にしては、さみしい最後となりました。

2009年12月6日日曜日

09 Season Review 10 & Off Season Outlook: RF

(2009 Season:GSは右翼手としての先発数。その他の成績はナショナルズでの全成績)
GS PA R HR RBI AVG OBP SLG SB
Elijah Dukes 61 416

38

8

58

.250 .337 .393 3
Austin Kearns 39 211 20 3 17 .195

.336

.305 1
Josh Willingham 33 502 70 24 61 .260

.367

.496 4
Adam Dunn 22 668

81

38

105

.267 .398 .529 0

 開幕はAustin Kearnsでした(今から思えば、DukesとWillinghamをベンチに置き、MilledgeとKearnsが先発したなんて、お笑いです)。4月はまずまずのスタートを切りましたが、日を追う毎に成績を落とし、6月以降は74打席入ってヒットわずかに8本、しかも長打無し、という底なし沼に。8月上旬に右手親指の故障でDL入りすると、当初は軽傷と思われていたにも関わらず、そのままシーズン終了まで復帰することはありませんでした。契約最終年となると奮起して成績を伸ばす選手が多い中、信じられないほどの最悪のシーズンとなりました。

 Kearnsの後は、他のポジションとの兼ね合いでJosh WillinghamやAdam Dunnも守りましたが、最も多くの出場機会を得たのはElijah Dukeでした。昨季後半の好成績から(少なくとも私には)大いに期待されたものの、十分には応えられなかった、というシーズンとなりました。4月の春先は好調でしたが、5月半ばにハムストリングを痛めてDL入り。最短で復帰してきましたが、まだ完全に直っていなかったのか大不振(三振王状態)に陥ってしまい、7月初めにマイナーに降格させられてしまいました。約1か月のマイナーでの調整(.276/.382/.500)を経て、8月にメジャー復帰。この後、ライトに定着しての出場となりましたが、UZRではマイナスですが、ゲームを見ていて何度も広い守備範囲と強肩を見せてくれました。打撃のほうでも、長打こそ出ないものの高い出塁率を残し、来季への期待の持てる終り方でした。

[オフ・来季の展望]
 Dukesはまだ年俸調停前。順調に行けばDukesがレギュラーとなるでしょうが、好不調によってはセンターではなかなか出番がもらえなさそうなJustin Maxwellを使う期待も。ともに右打者なので、左打者を打線に入れるという観点から、Roger Bernadinaの出場機会もあるかもしれませんね。あるいは、左打者を1人補強する可能性もあると思います。といっても、FAリストを見る限りあまり候補がいません。Geoff JenkinsEric Hinskeあたり?

2010開幕予想:Elijah Dukes (ダークホース: Justin Maxwell)

2009年12月5日土曜日

09 Season Review 9 & Off Season Outlook: CF

(2009 Season:GSは中堅手としての先発数。その他の成績はナショナルズでの全成績)
GS PA R HR RBI AVG OBP SLG SB
Willie Harris 54 393

47

7

27

.235 .364 .393 11
Nyjer Morgan 46 212 35 1 12 .351

.396

.435 24
Elijah Dukes 32 416 38 8 58 .250

.337

.393 3
Justin Maxwell 20 102

13

4

9

.247 .343 .449 6

 シーズン通じて、実に出入りの激しいポジションでした。
 
 開幕はLastings Milledgeでした。リードオフを任されたことも含めて懐疑的に見ていましたが、悪い予想は的中してしまい、打てず守れず態度も悪いで開幕連敗の戦犯扱いをされると、わずか7試合でマイナー降格。その後は故障もあって全く昇格の声がかからないまま、7月始めにパイレーツへトレードされました。(以上の経緯には、GMの交代の影響も大きかったと思います)

 このトレードで移籍してきたのがNyjer Morgan。既に29歳とやや遅咲きながら、安定的な打率とともに足のあるリードオフとしてパイレーツで今季ブレイク。ナショナルズでも合流するや7月の月間成績.388/.418/.495という好ダッシュを見せ、トレード成功と思われました。8月に入っても好調を維持していたのですが、8月末にヘッドスライディング(三盗)で左手骨折。残念ながら、シーズン終了となってしまいました。

 ところで、Milledgeが降格させられた当初は、Elijah Dukesがレギュラーとして期待されましたが、使ってみたら守備が安定せず、5月後半には2週間の故障離脱。いつの間にかWillie Harrisとの併用体制となりました。また、Morgan離脱後、今度はJustin Maxwellと併用される形でやはりHarrisの出場機会が増え、気がつけば、センターとしての先発出場数が一番多かったのはHarrisという結果となりました(ちなみに、2008年も同じような経緯でレフトとしての最多先発を記録していました)。もっとも、Harrisの打撃成績はひどいもの。来季も基本的に守備固め要員という存在でしょう。
 
 昨季は故障に泣き、プロスペクトとしての賞味期限もそろそろ切れそうになってきたMaxwell。大部分をAAAで過ごし、パワーとスピードはあるものの選球眼、バットコンタクトに難ありというシーズンを送りました。メジャーでは、4月の昇格時は好調でしたが、DLから復帰したHarrisに押し出される形でわずか6試合で降格。5月後半にDukesのDL入りにともなって昇格したのですが、今度は全く、本当に全く打てず、今度は本格的に降格させられました。あれがMaxwellにとっては最大のチャンスでしたが、活かせませんでした。ただ、9月にロースターが拡大されたところでようやく再昇格すると、出場機会を得て.292/.370/.554という数字を残すとともに、9月30日の試合では逆転サヨナラ満塁弾を打つなど印象的な活躍を見せ、プロスペクトとしての価値を残しています。

 もう1人、忘れたくない選手が、Roger BernadinaMilledgeの降格時に代わって昇格したのはこの人でした。走力と守備力があり、個人的には大いに期待していたのですが、なんと出場わずか3試合目にセンターのフェンスに激突しながらも好捕する超ファインプレー(写真)をした際に右足首を骨折してシーズン終了となりました。今季のナショナルズを応援していて、がっかりしたことはたくさんありましたが、その中でもトップクラスに入る事件でした。

[オフ・来季構想]
 Harrisは2年契約の2年目(年俸150万ドル)。Morgan、Dukesは年俸調停前。MaxwellとBernadinaはまだルーキー資格を有しています。という陣容なので、補強の必要はありません。故障をにらみながら現有戦力で戦っていくことになりそうです。

 Morganの故障は既に直っており、練習を再開しているとのこと。 さすがに今季の移籍後の打撃成績を来季も維持できるとは期待していませんが、キャリアを通じての数字である、3割前後の打率、.350を少し上回る位の出塁率を維持してくれれば、スランプのない守備での貢献を期待して、センターのレギュラーを任せられます。足が速いのも結構ですが、それは守備で活かすとして、今回のようなケガをしては元も子もないので、盗塁に関してはあまり無理せず、相手投手次第で走る程度でいいと思います。

 仮にMorganの故障が尾を引く場合、Maxwell、Harrisが争うことになりそうですが、その場合はMaxwellに期待したいところ(これはライトに関しても同じ)。Morganが元気な場合でも、いくらかはMaxwellにも出場機会を与えたいところです(ライトでもいいのですが)。まあ、その前に本人がスプリングトレーニングでしっかり結果を出すことが先決です。ラストチャンス、という意気込みで頑張って下さい(昨春はチャンスをもらいながらダメでしたから)。

 ところで、Bernadina。故障は手術を要する重傷で、故障から半年近く経った10月の記事でもフロリダのマイナー・コンプレックスで練習しているものの、まだ痛み・違和感が残っているとありました。故障した場所が場所だけに走力、守備力に影響がないことを願いつつ、スプリングトレーニングに元気に参加し、再びチャンスをつかんでくれることを願っています。

2010開幕予想:Nyjer Morgan (ダークホース: Justin Maxwell)

2009年12月4日金曜日

09 Season Review 8 & Off Season Outlook: LF

(2009 Season:GSは左翼手としての先発数。その他の成績はナショナルズでの全成績)
GS PA R HR RBI AVG OBP SLG SB
Josh Willingham 82 502

70

24

61

.260 .367 .496 4
Adam Dunn 61 668 81 38 105 .267

.398

.529 0
Willie Harris 15 393 47 7 27 .235

.364

.393 11

 続いて外野手に移り、まずはレフトから。開幕はAdam Dunnでしたが、Josh Willingham(写真)が成績を伸ばして信頼を勝ち取り、Dunnの一塁コンバートもあり、後半戦はレギュラーとなりました。昨季終了後にマーリンズとのトレードで入団。スプリングトレーニングでもチーム1の打点を挙げるなど結果を残しましたが、開幕はベンチ。4月は代打中心でなかなか結果を残せませんでしたが、5月以降、先発出場の機会を得るとがんがん打ち出し、5,6,7月はいずれも月間打率.300、OPS1.000を超えるオールスター級の活躍。8月以降は失速しましたが、OPS.863はメジャー6年目でキャリアハイを記録するなど、最終的な成績で見ても期待以上。そんなWillinghamのハイライトは何と言っても、7月27日の2打席連続満塁弾。その週の週間MVPも獲得しました。週間MVP獲得は、今季のナショナルズ(MLB)ではこのWillinghamのみ。素晴らしかった。他にも印象的な活躍が目立ち、私の勝手MVPポイントでは8Wで堂々の1位となりました。

[オフ・来季の展望]
 Willinghamは年俸調停2年目(ちなみに今季年俸は295万ドル)。2~3年の複数年契約を結ぶ可能性もあるのではないかと見ています。

 意外なトレードやFA契約がなければWillinghamで来季の開幕を迎えるはず。来季開幕時には31歳になり、ピークを過ぎたのではないかとも言われていますし、故障の不安を抱えた選手ですが、健康でさえあれば大きく崩れることはなくある程度の攻撃力を計算できます。守備固めとしてWillie Harris(2年契約の2年目)というのが本命でしょう。一塁手をFAで獲得して、Dunnをレフトに戻すという案もありますが、その場合はWillinghamがライトに回ることになりDukesの使い道がなくなってしまうという難があります。外野手のFA選手に手を出していく必要はないでしょう。

 他方で、先発ローテーション投手(Edwin JacksonRicky Nolasco?Javier Vasquezの出戻り?)を獲得するためにWillinghamがトレードされるという説もあります。年俸調停前の低年俸で雇えるバットであり、それなりに人気を呼んでいるようです。仮にトレードしてしまうと、今度はバットの補強が必要となりますが、レフトのFAはJason BayMatt Holidayというナショナルズにはとても手が届かない両巨頭を除けばかなり層が薄い。むしろ一塁手のほうが候補がいますのでこちらを補強してDunnがレフトに回ることが濃厚となります。うーん、あまりいいアイデアとは思えません。

2010開幕予想:Josh Willingham (ダークホース: Adam Dunn)

2009年12月3日木曜日

Sickels: 2010 Nationals Top 20 Prospects

 John Sickels氏のTop 20も発表されていました(元記事)。例年通り寸評付きです。簡単に訳しておきます。

1. Stephen Strasburg RHP Grade A: アリゾナ秋季リーグでの投球はA評価を正当化するに十分。彼も人間であることを覚えておかなければならないが、才能は凄い。

2. Derek Norris C Grade B+: Mickey TettletonMike Napoliのようなタイプ。四球が多く、パワーもある。守備は向上しなければならない。打率は残せないかも知れない。

3. Drew Storen RHP Grade B+: 実力に見合わないドラフト指名(全体10位)という懸念を払拭。極めて近い将来にブルペンの戦力になれるし、全てがうまくいけば将来のクローザー。

4. Danny Espinosa SS Grade B: ある程度パワーもあり、盗塁もあり、四球も選べ、 守備は素晴らしい。アリゾナ秋季リーグのスカウトたちの評価は高い。

5. Chris Marrero 1B Grade B: スター選手になるとは思わないが、順調に成長すればいいレギュラーになる可能性はある。

6. Jeff Kobernus 2B Grade B-: いい選手になるであろうもう1人。ただ、これ以上高い評価を与えるには、プロでのサンプル数が足りない。

7. Michael Burgess OF Grade B-: C+との境界線。潜在的なパワー、強肩、若さは大きなポジティブ要素。四球は選ぶが、三振は非常に多く、打率はとても低い。

8. Justin Maxwell OF Grade C+: 見てのとおり。パワー、四球、スピード、低打率。そこに目をつぶり、その他のスキルを見ることができるかどうか。

9. Ian Desmond SS Grade C+: 確実に進歩したと思うが、見た目の数字が示すほどではないと思う。BABIP(インプレーの打球が安打になった率)はおそらくある程度下がるだろうし、守備をもっと鍛える必要がある。

10. Bradley Meyers RHP Grade C+: 何人かいるとにかくストライクを投げていくタイプの1人。伸びシロは小さいが、投球能力(pitchability)は優れている。

11. Destin Hood OF Grade C+: パワー面の伸びシロは大きいが、期待はずれとなる可能性も高い。9位か10位にランクすることも可能。

12. A.J. Morris RHP Grade C+: 大学ではエースだったが、ブルペン投手として速く昇格する可能性も。

13. Eury Perez OF Grade C+: もっと上のレベルでのデータが必要だが、Juan Pierreのような選手になる可能性。侮辱して言っているわけではない。

14. Aaron Thompson LHP Grade C+: マーリンズから獲得した投球能力(pitchability)のある投手。もはやトッププロスペクトではないが、依然としてまずまずのプロスペクト。

15. Juan Jaime RHP Grade C: 威力のある速球を投げる伸びシロの大きい投手であるが、変化球を向上させなければならない。それができれば速く昇格する可能性も。もしかするとC+とすべきかもしれない。

16. J.P. Ramirez OF Grade C: New York-Penn League(SS)での成績は少し失望させるものかもしれないが、背景を考えれば悪くない。'10のフルシーズンでの数字は明るいものとなろう。

17. J.R. Higley OF Grade C: 伸びシロの大きいツールのある選手。New York-Penn League(SS)では輝かなかったが、依然としてポテンシャルはある。

18. Paul Demny RHP Grade C: South Atlantic League(A)で3勝11敗、防御率5.14 だったが105回を投げて110奪三振。制球力を向上させれば、長い道のりを行くことも。

19. Marco Estrada RHP Grade C: 特に何か証拠があるわけではないが、驚くほど良い2010年シーズンを送ることになると考え続けている。AAAでやるべきことは残されていない。

20. Jeff Mandel RHP Grade C: アリゾナ秋季リーグではブルペン投手として非常に良かった。メジャー昇格の可能性もある。

その他のGrade C: Evan Bronson LHP, Clint Everts RHP, Marcos Frias RHP, Victor Garate LHP, Luis Garcia RHP, Trevor Holder RHP, Hendry Jimenez 2B, Taylor Jordan RHP, Nathan Karns RHP, Pat Lehman RHP, Steve Lombardozzi 2B, Jack McGeary LHP, Tom Milone LHP, Adrian Nieto C, Brad Peacock RHP, Atahualpa Severino LHP, Josh Smoker LHP, Greg Veloz 2B, Dean Weaver RHP, Josh Wilkie RHP

コメント:
・12位までに驚きはありません。A.J. Morrisの評価が13位と高いこと、J.P. Ramirezの順位が思ったより低いこと、Marco Estradaへの評価(と謎のコメント)が意外でした。
Roger Bernandinaがトップ40人に入らなかったことは大ショック。その他に、40位までにランクインしてもいいと思う選手としては、今季マイナーでそこそこ投げていたEric ArnesenWilliam Atwood、それに2009年ドラフト10順目のPaul Applebee

09 Season Review 7 & Off Season Outlook: 3B

 言うまでもありませんし、チームMVPに選んだこちらの記事でも紹介したので、今日は簡潔に。

(2009 Season:GSは三塁手としての先発数。その他はナショナルズでの全成績)
GS PA R HR RBI AVG OBP SLG SB

Ryan Zimmerman

153 693 110 33 106 .292 .364 .525 2

 開幕直後に2013年までの長期契約を締結し、名実ともにチームの顔となったRyan Zimmerman。今季メジャー最長タイとなる30試合連続安打を記録し、本塁打もキャリア初の30本超、初のシルバースラッガー賞を獲得しました。守備でも念願のゴールド・グラブ賞を獲得。打撃でも守備でもキャリアベストのシーズンを送りました。  

[オフ・来季の展望]
 Zimmermanは春に結んだ5年契約の2年目。年俸は625万ドル。健康でいてさえくれれば。その一言に尽きます。

2010開幕予想: Ryan Zimmerman

2009年12月2日水曜日

09 Season Review 6 & Off Season Outlook: 2B/SS

(2009 Season:GSは二塁手としての先発数。その他はナショナルズでの全成績)
GS PA R HR RBI AVG OBP SLG SB
Anderson Hernandez 61 255 23 1 23 .251 .310 .320 5

Alberto Gonzalez

40 316

31

1

33

.265 .299 .351 1
Ronnie Belliard 36 204 26 5 22 .246

.296

.374 2

 (軽い故障で1週間出遅れましたが)開幕時のレギュラーはAnderson Hernandezでした。昨季途中にメッツから移籍してきて好成績を残し、ドミニカでのウィンター・リーグでも首位打者を獲得。大いに期待して迎えた今季でしたが、とにかく守備の評価が低く、打撃でも日を追うごとに数字を落とし、失望させられました。Manny Acta前監督が解任されるとともに出番を失い、8月上旬に遂に(ただ同然で)メッツに放出されてしまいました。

 Hernandezが自滅した後は、Ronnie BelliardAlberto Gonzalezが出場機会を得ました。Belliardは契約最終年となった今季、前半は評価を落としていましたが、出場機会を得た8月に月間成績.354/.391/.615という驚異的な数字を残し、8月末にドジャーズへと移籍していきました(さらにドジャーズでも同じような成績を残しレギュラーとしてプレーオフを戦いました)。短期間で評価を上げ、トレードバイトとなってくれたことに感謝しています(交換相手はVictor GarateLuis Garciaの2人のブルペンのプロスペクト)。Belliard移籍後は、主にGonzalezが使われ、9月にはIan Desmondも5試合試されました。8月を除けば「チームの穴」というのが実態でした。

[SS] 
(2009 Season:GSは遊撃手としての先発数。その他はナショナルズでの全成績)
GS PA R HR RBI AVG OBP SLG SB

Cristian Guzman

115 555

74

6

52

.284 .306 .390 4
Alberto Gonzalez 31 316 31 1 33 .265

.299

.351 1
Ian Desmond 14 89 9 4 12

.280

.318 .516 1


  Cristian Guzmanがほぼレギュラーとして出場。前半戦は3割を超える打率を維持しましたが、後半は故障もあり失速。打率はともかく出塁率.306という数字はとても上位打線を打たせられるものではありませんでした。守備が悪い悪いと言われていますが、個人的にはそんなに悪くなかったと思っています。少なくとも安心して見ていられるディフェンスでした。

 シーズン終盤にはIan Desmond(写真)が昇格し、Guzmanの故障離脱もあって出場機会を得ると、インパクトのある活躍を見せました。今季はAA、AAAの97試合で.330/.401/.477の好成績を残して評価を急上昇させ、セプテンバーコールアップでも期待に応えました。ただ、マイナーでの成績(マイナーでの最多本塁打は07年の13本で、今季は7本のみ)を見る限り、今季の89打席で4本塁打というのはでき過ぎに映ります。守備でも荒さが目立つことから、もう少しAAAで鍛えてくるべきかな、という印象を持ちました。

[オフ・来季の展望]
 最も不透明なのがこの二遊間。現有戦力の契約ステータスを確認すると、Guzmanが2年契約の最終年ですが、年俸800万ドルはいかにも高額。Gonzalez、Desmondはまだ年俸調停前。

 報道によれば、Jim Riggleman新監督は今季までショートを守っていたGuzmanをセカンドにコンバートしたい意向とのこと。守備範囲が狭くなっているという懸念からのコンバート案ということですが、どうかなぁ・・・・。少し疑問です。まず、守備が悪いという評価ですが、懸念するほどのものとは思えませんでした(参考資料)。また、シーズン中のトレードバイトとしての価値を考えるとショートに置いたままのほうがいいのではないかとも考えられます。とはいえ、既に今季終盤にGuzmanと首脳陣と話し合いの場が持たれた事実もあり、そういう方向で進んでいきそうです。

 この場合、ショートにはFA選手(またはトレード獲得選手)という案と、Desmondという案があります。9月の活躍を見るとDesmondを推したくはなりますが、Hernandezの例もあるので安易にレギュラーを与えるのもどうか。Guzmanのセカンドコンバートを前提とすると、あまり高額でない守備的なショートをFA(Adam EverettNick Green?大穴はOrlando Cabrera)、あるいはトレードで獲得し、スプリングトレーニングでDesmondと競わせるという感じでしょうか。結果的にDesmondが勝ち残ればそれはそれでめでたいことですが、今のところそこまで期待してません。

 個人的には、守備力はともかく、出塁率の低さは懸念に値するものだと思うので、Guzmanをショートとして使いたい球団があればトレードし(対価はプロスペクトが欲しい)、FAでセカンドも獲得してしまえばいいのではないかと思います。1つの可能性はOrlando Hudson。Type Aでしたが、ドジャーズが年俸提示しなかったのでドラフト指名権は失わないで済みます。他にはJuan UribeAdam Kennedyあたりも候補。800万ドルが残る年俸がネックと言われていますが、年俸負担してでも出せるなら出すべき。まあ、それでも難しいかな・・・。

2010開幕予想:
2B Cristian Guzman (ダークホース: Orlando Hudson)
SS Adam Everett (ダークホース:Ian Desmond )

2009年12月1日火曜日

09 Season Review 5 & Off Season Outlook: 1B

(2009 Season:GSは一塁手としての先発数。その他はナショナルズでの全成績)
GS PA R HR RBI AVG OBP SLG SB

Nick Johnson

92 424

47

6

44

.295 .408 .402 2
Adam Dunn 66 668 81 38 105 .267

.398

.529 0


 前半はNick Johnson(写真)、Johnsonの移籍後はAdam Dunnがレギュラーを務め、合わせて158試合に先発。Johnsonの働きぶりは期待以上でした。故障の不安を常にささやかれながらもほぼフル出場。守備範囲と長打力は予想以上の衰えでショックを与えましたが、「出塁」という最も期待された能力はいかんなく発揮。商品価値を上げてマーリンズへ移籍していってくれたと感謝しています(交換で獲得したのはAaron Thompson)。 マーリンズ移籍後も、1度DL入りはしましたが、35試合で.279/.477/.413と立派な成績を残しType BのFAとなりました。いい契約を得ることを願っています。

 シーズン終盤の一塁を守ったのはDunn。外野手としても悪いと言われていた守備でしたが、不慣れな一塁守備は見るからにひどいものでした。打撃成績は上記のとおり素晴らしかったのですが、この守備で相殺って感じです・・・。それから、打撃に関しても少し気になるのは9月に大スランプ(.212/.322/.333/3HR)に陥ったこと。これが一塁手としての守備の負担(批判を受け続けたことを含む)の影響でなければいいのですが・・・。

 なお、Dmitri Youngとの縁(年俸500万ドルの契約)がようやく切れました。

[オフ・来季の展望]
 異動がなければ、2年契約の2年目(年俸1200万ドル)となるDunnがレギュラーとなります。Fangraphsの記事で2009年シーズンはもとより、過去3年間のMLBで最悪のディフェンダーと評されたことは、先日記事にしたばかりですが、その時も触れたように、いずれも水準よりかなり下であることに変わりはないわけですが、一塁手としてのマイナスのほうが外野手としてのマイナスよりもまし、というのは明るい(?)材料。練習して、慣れてくれることで、マイナス幅を少しでも小さくしてくれることを期待しています。
 
 そんなDunnをレギュラーとするなら、優勝を狙うチームであれば守備のいいバックアップが必要となるところですが、来季のナショナルズには不要(悲しいことですが、事実)。健康でさえあればDunnがほぼフル出場するでしょうから、ボーダーラインの打撃と水準以上の守備(参考資料)を見せていたMike Morseで十分。あるいは一塁手をFAで獲得して、Dunnをレフトに戻すという案もささやかれています(Hank BlalockRussell BranyanAubrey Huffあたり?Nick Johnsonと再契約というのはさすがにないか)が、上記の通り守備のマイナスは一塁に置いたほうが小さいというデータもあることですし、外野には使ってみたい若手も多いのであまりいい考えとは思えません。

2010開幕予想:Adam Dunn (ダークホース: Hank Blalock)

2009年11月30日月曜日

09 Season Review 4 & Off Season Outlook : Catcher

 続いて、ポジション毎に今季成績の確認とオフ・来季に向けた展望を見ていきたいと思います。。まずは、捕手から。

(2009 Season:GSは捕手としての先発数。その他の成績は全成績)
GS PA R HR RBI AVG OBP SLG SB
Josh Bard 71 301

20

6

31

.230 .293 .361 0
Wil Nieves 65 249 20 1 26 .259

.313

.299 1
Jesus Flores 23 106 13 4 15 .301

.371

.505 0

 Jesus Floresのレギュラーとしての大成が期待されたシーズンでしたが、ケガでほとんどを失いました。開幕から打撃好調で3割を超える打率を残していましたが(さすがにこのスタッツを年間通じて維持することはできなかったでしょうが)、5月9日の試合で右肩にファールチップが直撃。当初は打撲と思われましたが骨折と判明。9月になってようやく復帰を果たしたものの、3試合に代打出場したのみで、再び右肩痛を発症。右肩関節唇断裂の手術を受けることになりシーズン終了。2年連続して故障のためシーズンのほとんどをDLで過ごすことになり、選手としての成長の機会を失うとともに、身体的強靱さ対する疑問も生じさせつつあります。本当に残念なシーズンとなりました。

 で、今季の出場機会を得たのはJosh BardWil Nieves(写真)の31歳の2人。Bardは控え捕手としてはパンチ力もありまずまずの打撃成績ですが、レギュラーとして使うには不十分。何より守備がダメ。Nievesはリード面の評価は高いもののあまりにも打てない。Floresの穴を埋めることはできませんでした。

[オフ・来季の展望]
 今季の3選手のうち、BardはFA退団。FloresとNievesが年俸調停対象。Floresには当然契約をオファーするでしょうが、Nievesはどうかな。微妙なところ。

 来季の構想は、Floresの回復をどう見るか次第。今のところ、スプリングトレーニング中にプレーを再開でき、開幕には間に合うといわれていますが、送球する方の肩だけに完全に直るのか不安は残ります。間に合うと信じる場合、Nievesのような守備型の控え捕手さえ確保すれば十分。Nievesに年俸契約をオファーすべきかどうかは難しいところです。コメントはいつもナイスガイだし、過去2年の控え捕手としての貢献に報いる意味でも(昇給込みの)契約を申し出てほしいところという心情もありますが、純粋にビジネスの発想に立てば、(年俸調停となれば必然的にそうなる)最低保障年俸を超える金額をNievesに払う必要はないとも考えられます。後者の場合は、同レベルの守備型の捕手を安く契約(あるいはスプリングトレーニングに招待込みのマイナー契約)することになります(Ramon Castro?)。もちろんこの方法でNievesと再契約することも考えられるわけですが。フロントの判断が注目されます。

 Floresが開幕に間に合わないと見れば、攻守でそれなりの捕手を獲得しにいくことになります。あまり考えたくない展開ですが、ドラフト指名権を失わないType BのFAということで言えば、Gregg ZaunRod BarajasMiguel Olivoあたりが可能性としてはあるのかな。

 マイナーのデプスが厚いとは言い難いところが痛い。昨季のセプテンバーコールアップLuke Montzが今季はAAAどころかAAでも全く打てず、期待外れに終わりマイナーFAとなりました。今季トッププロスペクトに名乗りを上げたDerek Norrisがいますが、まだシングルAで、AAAやAAでプレーした中でメジャーで使えるメドが立っている捕手はいません。強いて名前を挙げればSean Rooneyですが、今季途中に昇格したAA、そして秋のAFLで苦戦しましたので、とてもメジャーに上げられる状態にはありません。どっちにしても、スプリングトレーニングにはマイナー契約でベテランを何人か招待することになるのではないかと思います。

2010開幕予想:Jesus Flores (ダークホース: Gregg Zaun)

BA: 2010 Nationals Top 10 Prospects

 BAのAaron Fitt氏によるナショナルズのトップ10プロスペクトが11月11日に発表されていました(元記事はこちら)。私なりのトッププロスペクトランキングをまとめきる前に発表されてしまったので、記事にするのが遅れました。

1. Stephen Strasburg, RHP
2. Derek Norris, C
3. Drew Storen, RHP
4. Ian Desmond, SS

5. Danny Espinosa, SS
6. Chris Marrero, 1B
7. Jeff Kobernus, 2B

8. Justin Maxwell, OF
9. Michael Burgess, OF
10. Destin Hood, OF

コメント:
・09年ドラフト組のうち、StrasburgとStorenのドラフト1位組の2人はAFLでの成績を踏まえても納得ですが、ドラフト2巡目のKobernusは過大評価ドラフトの感が否めず、しかもマイナーでほんの数試合プレーしただけで故障離脱してしまったので、なんとも言えません。

・昨年から大きく評価を上げたのはNorris、Desmond、Espinosaの3人。特にNorrisはメジャー全体のプロスペクトランキングでの順位も気になるところです。
・昨年から卒業したのが Jordan ZimmermannとRoss Detwilerの2人。さらにJack McGearyなどほかの投手が軒並み評価を下げたこともあり、トップ10は、0
9年ドラフトの2人を除けば野手ばかりという結果になりました。とはいえ、全体的には投手陣のほうが厚みがあるマイナー組織だと思っています。

 BA恒例のツール別ベスト選手も紹介しておきます。ここでもStrasburgとNorrisが当然のことながら目立ちます。Bernadinaは故障からの復帰待ちですが、守備と足が健在であることを願うばかりです。

Best Hitter for Average Derek Norris
Best Power Hitter Derek Norris
Best Strike-Zone Discipline Derek Norris
Fastest Baserunner Roger Bernadina
Best Athlete Justin Maxwell
Best Fastball Stephen Strasburg
Best Curveball Stephen Strasburg
Best Slider Drew Storen
Best Changeup Josh Wilkie
Best Control Stephen Strasburg
Best Defensive Catcher Sandy Leon
Best Defensive Infielder Danny Espinosa
Best Infield Arm Ian Desmond
Best Defensive Outfielder Roger Bernadina
Best Outfield Arm Michael Burgess

2009年11月29日日曜日

09 Season Review 3 Rookie of the Year


Rookie of the Year 2009: Jordan Zimmermann



 残念ながら野手にここで論ずるに足る活躍をした選手は見当たりません。Ian Desmondは印象的な活躍でしたが、9月だけ。Justin Maxwellも5月の昇格機会を活かせず、実質セプテンバーコールアップと同じ(ちなみに、通算打席数は129でぎりぎり来季の新人王資格を残しています)。

 一方、投手陣には、新人王資格の基準となる通算50投球回数を今季超えた投手が次の通り7人もいました。 前半のMockとClippard以外は先発投手。Marco Estradaの1試合を加え、ルーキーに95試合、実にシーズンの6割近くの試合の先発を任せなければならなかったというところに、チームの苦しい事情が伝わってきます。リーグ最下位に終わったチーム投手成績も当然と言えば当然です。この中で先発であれ、ブルペンであれ、どれだけが生き残っていけるか分かりませんが、応援したいとは思います。

Craig Stammen
Garret Mock
Jordan Zimmermann
Shairon Martis
J.D. Martin
Ross Detwiler
Tyler Clippard


 で、Rookie of the Yearを選ぶわけですが、以下、この7人の個人成績のトップ3を並べてみました。

IP: Stammen(105.2), Mock and Zimmermann(91.1)
W: Maritis and Martin(5), Clippard and Stammen(4)
K: Zimmermann(92), Mock(89), Clippard(72)
ERA: Clippard(2.69), Martin(4.44), Zimmermann(4.63)
WHIP: Clippard(1.13), Stammen(1.29), Zimmermann(1.36)
K/9: Clippard(9.99), Zimmermann(9.07), Mock(7.09)
BB/9: Stammen(2.04), Martin(2.81), Zimmermann(2.86)
HR/9: Detwiler(0.36), Mock(0.89), Zimmermann(0.99)
AVG(被打率): Clippard(.175), Martis(.256), Zimmermann(.269)
GB/FB: Mock(1.49), Stammen(1.47), Zimmermann(1.35) [打球に占めるゴロ比率]
FIP: Zimmermann(3.59), Detwiler(3.86), Mock(4.28) [守備の影響を排除した仮想防御率]

 今季のチーム新人王は、Jordan Zimmermannということでご納得頂けるかと思います。勝ち星にこそ恵まれませんでしたが(逆に、勝ち星がいかに運に左右されているかを感じさせます)、その他の全成績でトップ3に名前を連ねるというのは内容が充実していたという証拠。実際の投球を見て感じた「本物」という印象に間違いはありませんでした。ご存知の通り、TJ手術を受けたわけですが、Josh Johnson(FLA)のような復活を遂げてくれることを願わずにはいられません。

2009年11月28日土曜日

09 Season Review 2 Pitcher of the Year

  続いて、投手のMVP。

Pitcher of the Year 2009: John Lannan


 質量ともにJohn Lannanで全く異論はないはずですが、いちおうスタッツを確認しておきます。

 人数が多いのでまず先発投手。

GS(G) IP W L S K K/9 BB/9 ERA WHIP
John Lannan 33 206.1 9 13 0 89 3.88 2.97 3.88 1.35
Craig Stammen 19 105.2 4 7 0 48 4.09 2.04 5.11 1.29
Jordan Zimmermann 16 91.1 3 5 0 92 9.07 2.86 4.63 1.36
J. D. Martin 15 77.0 5

4

0 37 4.32 2.81 4.44 1.42
Shairon Martis 15 85.2 5 3 0 34 3.57 4.10 5.25 1.42
Garret Mock 15(28) 91.1 3 10 0 72 7.09 4.34 5.62

1.73

Ross Detwiler 15(14) 75.2 1 6 0 43 5.11 3.93 5.00

1.59


 この他に前半はScott Olsen(11GS)、Daniel Cabrera(8GS)が、後半にはCollin Balester(7GS)、Livan Hernandez(8GS)、Marco Estrada(1GS)が先発機会を与えられましたが、仕事をしたのはLivanくらい。正直な感想を言えば忘れたい面々です(Balesterごめんよ)。 

 John Lannanの「2季連続の好投」は結構衝撃を与えているようです。これだけ三振が取れないのに好成績を収めている投手は本当に珍しい。昨季も同じような成績(勝ち星の9勝のみならず)で、どんな投手でも大体.300あたりに修練するとされているBABIP(インプレーボールの被打率)という数字が.273と低かったためにまぐれ扱いされたりしましたが、今季もこの数字は.276と低いまま(ちなみに6試合に投げた2007年も.273)。未だに懐疑的な見解も多いようですが、応援している者としては制球力と手元での変化により打者が打ちにくい投球ができている証拠と好意的に見ています。
  
 チーム奪三振王はLannanの半分以下の投球回数ながら、Jordan Zimmermann。防御率を見るとずいぶん苦労したように見えますが、ここでもBABIPを見てみると.339という異常に高い数字。ここまでくると不運だったといえるでしょう。ポテンシャルとしてはその時点(Strasburg契約前)のナショナルズ投手陣で最高の能力を持つことを示すデビューイヤーとなりました。しかしTJ手術・・・。ああ無情。

 三振が取れるという点ではGarret Mockも高水準。不思議なことにブルペン投手(春先)としてよりも先発投手(夏以降)のほうが総じて成績が良く、先発投手としてに限ると、K/9は7.58まで上昇。四球を減らす必要はありますが、可能性を感じる内容です。

 Shairon Martisは春先にトトトトトンと5勝を上げましたが、その後調子を崩しマイナー落ち。そのまま声がかかることはありませんでした。07、08年はマイナー・メジャー通じて「三振が取れる投手」だったはずなのに、今季はマイナーでも同じような奪三振率でした。復活への鍵はやはり奪三振率だと思われます。個人的には応援したい投手の1人です。

 代わって後半にローテーション入りしたのがCraig StammenJ. D. Martinの2人。今季のいい意味でのサプライズ。ともに制球重視で、奪三振が少ないという意味で、「右のLannan」という感じですが、Lannanほど高く評価すべき投手かどうか・・・。今季大きく価値を上げた2人ですからトレードバイトとして活用できるなら出し時かと思います。

 最後に出てきたのがRoss Detwiler。9月の内容は本物かどうか。来春が楽しみです。

 次にブルペン。

G IP W L S K K/9 BB/9 ERA WHIP
Ron Villone 63 48.2 5 6 1 33 6.10 5.36 4.25 1.71
Jason Bergmann 56 48.0 2 4 0 40 7.50 4.69 4.50 1.56
Mike MacDougal 52 50.0 1 1 20 31 5.58 5.58 3.60 1.52
Joe Beimel 45 39.2 1

5

1 24 5.45 3.40 3.40 1.34
Jurian Tavarez 42 35.0 3 7 1 32 8.23 6.94 4.89 1.74
Tyler Clippard 41 60.1 4 2 0 67 9.99 4.77 2.69

1.13

Joel Hanrahan 34 32.2 1 3 5 35 9.64 3.86 7.71

1.96

Sean Burnett 33 25.1 1 1 0 20 7.11 4.62 3.20

1.07


 クローザーは、前半がJoel Hanrahan、後半がMike MacDougal。Hanrahanはダメダメで遂にトレード放出と相なり、MacDougalもセーブ失敗こそ1つしかありませんが不安定な内容。このBB/9、K/9では、来季のクローザーを委ねていいのかどうか不安になります。ちなみに、Hanrahanはパイレーツに行ってからは33試合で1.72/1.37と好成績を残しています(ただし、クローザーとしては使われていない)。

 ブルペン投手で持続的にいい投球を見せてくれたのは、そのHanrahanのトレードでやってきたSean Burnett、マイナーでの素晴らしすぎる成績を引っさげて昇格してきたTyler Clippard、それにフラッグディールトレードでロッキーズに移籍していったJoe Beimelの3人くらいでした。来季への期待が大きいのはClippard。今季の酷使がたたらないことを願います。

 こちらも「勝手MVP」を確認しておきます。

4W: Martis, Lannan
3W: Stammen
2W: Zimmermann, Martin, Mock, Burnett
1W: Villone, Olsen, Clippard, Detwiler

 Lannanを含め先発投手陣が崩壊していたシーズン序盤に1人頑張っていたMartisが目立ちますね。シーズン後半にLannanが追いつきました。Olsenが完投勝利を記録したことを、覚えてる人はほとんどいないでしょうね(笑)。

2009年11月27日金曜日

09 Season Review 1 Hitter of the Year

 いよいよオフも本格的になってきました。当ブログにおける2009年シーズンレビューとオフの注目を順番にアップしてきたいと思います。まずは、野手のMVPから。

Hitter of the Year 2009: Ryan Zimmerman


 まず打撃成績。打席数の多い打者から順に並べました(次点はJosh Bard)。例外はMorgan。盗塁数がチームトップだったので掲載しています。

PA

R

HR

RBI

AVG

OBP

SLG

K%

BB%

SB

Ryan Zimmerman

694

110

33

106

.292

.364

.525

19.5

10.6

2

Adam Dunn

668

81

38

105

.267

.398

.529

32.4

17.5

0

Cristian Guzman

555

74

6

52

.284

.306

.390

14.1

2.9

4

Josh Willingham

502

70

24

61

.260

.367

.496

24.4

12.5

4

Nick Johnson

424

47

6

44

.295

.408

.402

18.7

15.1

2

Elijah Dukes

416

38

8

58

.250

.337

.393

20.3

11.2

3

Willie Harris

393

47

7

27

.235

.306

.390

19.2

15.0

11

Alberto Gonzalez

316

31

1

33

.265

.299

.351

9.3

4.6

1

Nyjer Morgan

212

35

1

12

.351

.396

.435

13.1

5.4

24


 打撃成績だけでみると、Adam DunnRyan Zimmermanの2人で甲乙付けがたいところ。Dunnの本塁打数は40本に届きませんでしたが、それでも昨季のチームトップが14本(MilledgeとZimmerman)だったのとは大違い。低い低いと言われた打率でキャリアハイを記録。ヒットがでない時期でもしっかり四球を選んで出塁するところはさすがでした。三振が多いのは織り込み済み。Zimmermanに関しては安打数、本塁打数、得点、打率、出塁率、長打率と多くの部門で自己ベストを記録。Dunnに比べると少しパワーと出塁率で見劣りしますが十分素晴らしい内容でした。このZimmermanの成績の向上の背景にDunnの存在があったことも否定できないでしょう。

 これを眺めて改めて(悪い意味で)成績で気になったのは、Alberto GonzalezCristian Guzmanの出塁率の低さ。三振も少ないので、要するに早打ちということですね。来季1番に盗塁を狙えるNyger Morganを据えようと思うのであれば、この2人が2番を打つことは避けるべき。使うなら下位打線しかないはずです。逆にJosh WillinghamElijah Dukesは意外なほど出塁率が高い。Dukesは期待されたほど出塁率が上がらないという印象が強いシーズンでしたが、最後の1か月でぐぐっと数字を上げました。長打率は最後まで低いままでしたが、天性のパワーは証明済み。しっかり打っていればいずれ結果は付いてくると信じています。

 Morganの成績は出来過ぎでしょう。来季開幕時に29歳という年齢が気がかりです。センター守備はそんなに衰えないでしょうから、なんとか出塁率.350のリードオフとして定着してくれることを期待しています。


 次に同じ選手達について守備成績を並べてみます(こちらも次点は捕手のJosh Bard)。複数のポジションを守った選手については、主なポジション(カッコ内)に限っています。 

IP

E

FP

UZR

Ryan Zimmerman(3B)

1337.2

17

.963

17.9

Adam Dunn(1B)

540.0

8

.986

-13.9

Adam Dunn(LF)

505.0

5

.953

-14.4

Cristian Guzman(SS)

993.2

20

.962

-2.5

Josh Willingham(LF)

691.2

5

.971

-4.7

Nick Johnson(1B)

806.1

7

.992

-5.8

Elijah Dukes(RF)

548.1

7

.951

-3.6

Willie Harris(CF)

467.1

1

.993

-6.1

Alberto Gonzalez(2B)

363.0

1

.995

-3.0

Alberto Gonzalez(SS)

279.1

9

.932

-3.6

Nyjer Morgan(CF)

391.0

3

.979

13.0


 まず伝統的な守備スタッツであるエラー数と守備率で見るとZimmermanの17エラー、守備率.963はあまり良くない数字です。しかし、これを守備範囲、外野の肩、併殺への貢献などを加味したUZRで見ると17.9となり、これは三塁手の中ではEvan Longoria(TB)に次ぐ2位。この数字は実は凄い数字です。今「三塁手で2位」と書きましたが、こちらを見てもらうと分かりますが、Longoriaの他にはダントツ1位のFranklin Gutierrez(SEA)が上にいるだけの、「全30球団のポジションプレーヤーで3位」で、ナショナルリーグのプレーヤーでは、独走の1位となります。きちんと評価され、Gold Glove賞を獲得したことは、既に書いたとおり。

 Morganが13.0とこれもかなりの好成績(しかも積み上げスタッツで1か月少ない中の結果)でしたが、その他は全員マイナス。ひどいものです。

 この守備での貢献を加味すると、Hitter of the YearはZimmermanということで、満場一致かと思います。


 ところで、当ブログでは、「勝手MVP」を選んできました。こちらで見ると・・・・

8W: Willingham
6W: Zimmerman
5W: Dunn
3W: Dukes, Gonzalez
2W: Desmond, Maxwell
1W: Kearns, Flores, Harris, Morgan, Guzman, Orr

 Willinghamが独走。内容を見ると、7,8月に5Wをまとめて稼ぎましたが、それ以外はぽつりぽつりという程度。好調と不調の波が大きかったという印象通りですが、それでも勝利への貢献度という点では、Dunnと並ぶ程度に評価してもいいかもしれません。

 Zimmermanは意外に伸びませんでした。逆に、DukesやGonzalezは意外なクラッチぶりを示したという感じです。DesmondとMaxwellに関してはご祝儀というわけではなくちゃんと活躍してのMVP授与ですから。お間違えなく。