2011年9月28日水曜日

最終順位とドラフト指名権

 地区3位を決めたナショナルズですが、全30球団中の順位は最終戦を前にして16位。各チーム1試合を残した時点での前後のチームの成績は以下の通りです(ナショナルズはドジャーズとの試合1試合キャンセルしたため全161試合)。

14. Toronto 80-81
14. Cleveland 80-81
16. Washinton 79-81
17. Chicago(AL) 79-82
17. Cincinnati 79-82

 最終戦でこの順位は変動するわけですが、実はこれがオフの補強に大きな影響を及ぼします。

 まず、現在の制度では、ドラフト指名権は前年順位の下位から順に与えられます。これにより、2008年、2009年に30球団中最下位だったナショナルズがそれぞれ翌年のドラフトでStrasburgとHarperを続けて指名できたわけです。これのよると、ナショナルズの来年のドラフト指名権は全体で13~17位のいずれかとなります。

 さらに、この指名権が全体15位と16位以下で大きな違いが生じます。それはFA選手の獲得にともなう補償制度。オフにFAとなった選手は、前2年間の成績に基づき、タイプA、タイプB、その他とランク付けされます。このうち、タイプAの選手と契約した球団はその選手の元所属球団にドラフト指名権を譲渡することになります。このとき、譲渡すべき指名権が15位以前である場合には1順目はプロテクトされて2順目を、16位以降の場合には1順目の指名権を譲渡することになります。例えば、昨年のオフ、ナショナルズはタイプAのJason Werthと契約しましたが、6位指名権のため1順目ではなく2順目をフィリーズに譲渡。逆にタイプAのAdam Dunnと契約したホワイトソックスから1順目19位指名権を獲得していました。このように15位と16位には大きな違いが生じるわけです。今季、ナショナルズを退団してタイプAになる選手はいない見込みです。したがって、仮に15位以上でシーズンを終え、オフにタイプAの選手を獲得すると、来年のドラフトでのナショナルズの最初の指名権は2順目16位以降、全体では70位以降となってしまいます。うむむむ。このことは当然オフの補強戦略に影響を及ぼすことでしょう。

 シーズン最終戦。勝って気分良く終わって欲しいのはもちろんですが、ブルージェイズとインディアンズも勝って16位のまま終わってくれるようにと、祈っています。

 それしても、2008年、2009年のこの時期には、「Hunt for SS」、「Hunt for Bryce Harper」という情けない記事を書いていたことを思うにつけ、チーム状況が大きく改善していることを改めて認識します。

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